~第5回~ 修理から洗浄まで、革製品を甦らせる 靴専科
京のお直し屋さん情報サイト『もっぺん』で「靴」のお直し屋さんは洋服に次いで多く“まるごと洗う”という店まで! 今回はその中から、フランチャイズで全国展開する「靴専科」の河原町店を訪ねた。
もともとオーダーメイドの靴職人だった店長の角南さんがその腕と知識を生かし、かかとやソールの交換、傷んだ箇所の修理、色褪せた革の色補正やリ・カラー(色変え)、クリーニングなど、それぞれの状態に合った方法で靴やバッグを甦らせてくれる。「革製品を洗っても大丈夫?」と問うと、同社開発の洗剤で栄養を与えながら洗浄し、専用機でじっくり乾燥させるので革を傷めることはないとか。除菌・消臭効果のあるオゾン水を使うので、汚れとともに臭いも軽減される。
修理依頼は幅広い世代からあるが、古着店で買った製品を「修理で何とかなりませんか」と持ってくる若者が少なくない。裏寺町にあるこの店ならではの客層だろう。
ある時、「このバッグで財布を3つ作ってほしい」との依頼が。祖母の形見を孫三人で持ちたいのだという。久々に腕が鳴った。デザインは任せてもらい、3つの財布を仕上げた。この仕事のやりがいは“完成品を見せた時のお客様の表情”だという店長が、「あの時の笑顔は今でも忘れられない」と振り返る。
「靴は一生もん」と店長は言う。革靴は長く履けば足にフィットして履きやすくなる。長く履くためには「連続して履かない(通気)」、「クリームを塗る(保湿)」など日々の心がけ、そして定期的なメンテナンスが不可欠。古くなったけれど、お気に入りだから捨てられない。そんな靴やバッグをしまい込んでいる人は相談に行ってみては。
藤原幸子(平成30年5月9日取材)掲載:こごみ日和76号
▶靴専科 河原町店
▶靴専科 北山店