阪神大震災で水に浸かり、下着の襦袢(じゅばん)の色(脱色不可能の紅梅の染料)で染まってしまった、おばあさんが大切にしていた着物。
しかし、「もっぺん」で紹介している職人さんの手で見事に復活。
お孫さんの花嫁衣装になりました。
ここに、お母さんから職人さんに寄せられた、感謝のお手紙を紹介します。
石橋様
緑が目に鮮やかな季節となってまいりました。
その節は、大変お世話になりました。
おかげさまで、娘の結婚式も無事にすみ、着物もとても好評でした。
最初、娘に
「おばあちゃんの着物、結婚式で着られないかな」
と言われた時は、あまりに紅く染まった着物に無理だろうと思っておりましたが、パソコンで色々な染め屋さんを探すうちに、石橋さんのホームページに 出会い、新聞記事を読ませていただき、このような研究熱心な方ならひょっとしたら、引き受けて下さるかもと一縷(いちる)の望みを持って、お伺いした次第 です。
引き受けて下さるとお返事を頂いた時は、本当に嬉しく、出来上がりも満足のいくもので、皆で喜びました。
式では、母の七十年前の結婚式の写真もうつしだされ、時を超えて、受け継がれていく着物に感動しました。
水につかり、紅く染まった着物
特に柄の部分が紅く染まっている。
柄部分の拡大図
下着の襦袢の柄が浮き出てしまっている。
もっぺん職人の技でよみがえった着物
柄の部分も元の鮮やかな色彩を取り戻している。
見事復活した着物は、お孫さんの花嫁衣装となった。