~第29回~ BOOTSBELL
寺町京極六角を下がったテナントビル2階に、輸入靴専門店と同居するかたちで
「BOOTSBELL」(ブーツベル)がある。
店内は、販売用の靴と修理済みの靴が混在し靴箱のよう。
オーナーである興津大介(おきつだいすけ)さんの経歴は興味深い。大学卒業後アパレルメーカーに勤務、その後ハーレーのバイク用品販売に転職、バイク乗りのブーツ修理をするなど靴修理の技術を独学で学び、靴修理の面白さを知る。四条河原町マルイに靴修理店のオープン話を聞きスタッフとして入社、腕を磨きその店舗を買い取る形で独立するが、マルイの閉店に伴い近隣ビルに移転、2017年3月「BOOTSBELL」の誕生である。
しかし、奇しくもコロナ禍等の影響で経営困難となり、2020年に現在の店舗に再移転する。これまでより店が狭くお客様は減ったが、顧客が来店してくれるので結果として顧客満足度も高くなったと興津さんは話す。
心掛けていることは、依頼者の要望をしっかり聞く、仕上がりのイメージを共有する。難しい修理はリスクも伝えコミュニケーションを大切にすることで、後のトラブル回避にも繋がっている。
店名の「BOOTSBELL」のBELLは、美しいという意味もあり靴をいつも綺麗に、毎日同じ靴を履かず靴を休ませることが大事にする秘訣であると。
今後の抱負は、「職人だけでなく経営者としても飛躍したい。夢は自分の店を持つことだったが、今はこれからが始まりだと感じている、自分も成長しお客も育てていく」と胸を張った。
安田 勇次(2024年7月17日取材)掲載:こごみ日和101号
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